外国⼈留学⽣は⽇本のメディア、ジャーナリズム研究をいかに変えるか―研究環境の課題を踏まえて―
日 時:2019年12月14日(土) 14:00~17:00(13:30開場)
場 所:上智大学四谷キャンパス2号館5階508号室
共 催:上智大学メディア・ジャーナリズム研究所
報告者:沈霄虹(上智大学)
討論者:賈曦(⻑崎県⽴⼤学)、王冰(北海道⼤学)、王楽(東京⼤学⼤学院)、申周和(⽴教⼤学⼤学院)、アルン・デソーザ(上智⼤学⼤学院)
司 会:国枝智樹(上智⼤学)
趣 旨:
⽇本政府の留学⽣受け⼊れ計画にともない、21世紀に⼊って外国⼈留学⽣の⼈数が急増している。⽇本学⽣⽀援機構(JASSO)によれば、2018年5⽉1⽇時点の留学⽣数は298,980⼈(前年⽐12.0%増)、出⾝地域別にみれば、アジア地域からの留学⽣が93.4%、欧州・北⽶地域からの留学⽣が4.5%となっている。そのうち⼤学院⽣は50,184⼈(前年⽐8.2%増)であり、その割合が上昇しているのが近年の特徴のひとつである。そして多くの留学⽣が来⽇後、社会学やメディア・ジャーナリズム系(以下、メディア系)の⼤学院に進学することを選んでいる。
それにともなって、⽇本マス・コミュニケーション学会における外国⼈研究者の存在感も⾼まっている。具体的にみると、2001年1⽉から2017年7⽉まで『マス・コミュニケーション研究』に掲載された投稿論⽂197本のうち、外国⼈研究者の論⽂は29本で全体の15%を占めている。また、過去5年間の学会⼤会における個⼈発表のうち、3割以上を外国⼈研究者が占めていて、そのほとんどが博⼠後期課程の在籍者である。
また、メディア系の⼤学院には、中国⼈留学⽣の割合が⾼いという特徴がある。メディア系⼤学院における修⼠論⽂提出者の出⾝地を⾒ると、上智⼤学⼤学院⽂学研究科新聞学専攻における中国⼈留学⽣の割合は48%に達している(2001〜2017年度)。その⼀⽅で近年、メディア系⼤学院の博⼠後期課程に進学を希望する⼤学院⽣は、全体的にみて減少傾向にある。
以上のような現状を背景として、本研究会ではまず、沈霄虹会員がメディア系⼤学院における外国⼈留学⽣を取り巻く研究環境や教育環境の現状を報告したうえで、今後の展望をシンポジウム形式で議論する。討論者は、メディア系⼤学院で専任教員として働く2名の中国⼈研究者と、博⼠課程に在籍する3名の外国⼈留学⽣(中国、韓国、インド出⾝)である。次世代の外国⼈研究者が⽇本で活躍し、メディア研究やジャーナリズム研究を活性化していくためにはどうしたらいいか、具体的に考えていきたい。
本研究会はどなたでもご参加いただけます(事前申し込み不要、参加無料)。ふるってお越しください。