6月13日 16:00-17:15
学会名称に関する懇談会
1993年に日本新聞学会から日本マス・コミュニケーション学会へと名称変更が行われてから、四半世紀あまりが過ぎた。その間、インターネットの普及を主要因とするメディア環境の激変により、本学会の会員による研究も多様化し、学会名称と研究領域との不整合が目立つようになってきた。
今期理事会では、学会名称の再検討を重要な課題とし、今年1月から2月にかけて会員からパブリック・コメントの募集を行った。寄せられたコメントの圧倒的多数は変更を支持するものであり、新たな学会名称が求められているという事実は否定しがたい。
とはいえ、名称はまさに学会のアイデンティティを示すものであり、時流に流されるまま場当たり的に変えていくようなことがあってはならない。会員による研究の多様性を維持、発展させることが必要なのは言うまでもないが、本学会が何に取り組み、何を明らかにしようするのかという問題関心をある程度は共有し、議論を深めていくことは学会という学術運動にとって不可欠の課題である。
また、本学会の重要な特徴は、研究者のみならず報道や番組制作に実際に携わる会員を数多く擁している点にある。そのことがアカデミズムとジャーナリズムとの結節点としての役割を果たすことを可能にしてきており、この結びつきはネット社会のなかでさらに発展深化させられていかなければならない。
今日、メディア環境の激変によってこれまで以上に学術と実践の境界線を越える必要性が増大しており、そのことは様々な異なる分野、立場の結節点としての本学会の存在意義を強めている。名称変更にあたっては、本学会のそういった特性を踏まえつつ、組織の将来に向けたビジョンを構想していくことが必要となろう。
以上を踏まえ、2020年度春季研究発表会において、新名称および今後の学会のあり方を議論する懇談会を実施することにしたい。
- 司会者:土屋礼子(理事)
- 会員向けパブリック・コメントの結果報告:津田正太郎(総務担当理事)
- 総務委員会での議論及び理事会での検討状況の報告:吉見俊哉(会長)
※その後に参加者全体での討論
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