内川芳美記念メディア学会賞 Uchikawa Yoshimi Memorial Prize

内川芳美記念メディア学会賞
Uchikawa Yoshimi Memorial Prize
同賞は、日本マス・コミュニケーション学会(現・日本メディア学会)の理事・会長を務められた故内川芳美名誉会員(東京大学名誉教授)の寄贈を原資とする「内川芳美基金」(以下、「基金」)の事業のひとつです。

内川芳美記念メディア学会賞について

1. 受賞対象作品
(1)メディア、ジャーナリズム、およびコミュニケーション研究に大きく寄与した新刊の単著。
(2)各期の内川芳美基金運営委員会が発足した直近の 2 年間(当該年の 1 月 1 日から翌年 12 月 31 日まで)に公刊された書籍。
(3)機関・団体の刊行物、翻訳、および故人の著作は除外する。

2.受賞対象者
(1)日本メディア学会の会員
(2)公刊時に 50 歳以下であること。ただし年齢にかかわらず、博士号取得後 5 年以内にその内容を書籍化した作品は、選考対象とすることがある。

3.選考方法
(1)内川芳美記念メディア学会賞選考委員会(以下、選考委員会)において受賞作品を選考する。選考委員会は、選考の対象となる著書を選考委員会に推薦するための推薦委員会を組織する(委員長は選考委員が兼ねるものとする)。
(2)選考委員および推薦委員の選定にあたってはジェンダー、年齢、研究分野などのバランスに配慮する。
(3)推薦委員会は、推薦委員による推薦および学会員による推薦を踏まえて著作を選定し、選考委員会に対して複数の候補を推薦する。
(4)これをもとに選考委員会で受賞作品を選定し、選考委員長が結果を理事会に報告する。それを受けて理事会は受賞作を決定する。総会、およびウェブサイト等広報媒体にて選考結果を公表する。

以上は、第39期第10回理事会(2024年7月27日)の議を経て決定しました。

4.その他
その他事項は、「日本メディア学会賞内規」を参照すること。

「内川芳美基金」について

「内川芳美基金」は2006年に設立され、言論の自由、平和、非暴力を希求する故人の遺志に基づき、以下の事業を行っています。運営は、内川芳美基金運営委員会が行っています。

(1) 内川芳美記念メディア学会賞(隔年)
(2) 海外学会・研究者等との国際交流事業
(3) その他、故人の遺志にかなう事業

The Uchikawa Yoshimi Memorial Prize is one of the projects of the Uchikawa Yoshimi Foundation (hereafter the Foundation), which is funded by a grant provided by the late Uchikawa Yoshimi, former Director and President of JSSJMC(Japan Society for Studies in Journalism and Mass Communication).

The Foundation was established in 2006 at the Uchikawa Yoshimi’s wish of the deceased that is devoted to freedom of expression, peace, and non-violence. It operates the projects listed below and is run by the Uchikawa Yoshimi Foundation Steering Committee.

(1) The Uchikawa Yoshimi Memorial JAMS Prize (awarded every other year)
(2) International Exchange programs involving, for example, overseas academic conferences and scholars
(3) Other projects in line with the legacy of Uchikawa Yoshimi

第9回受賞者(2023年度)

太田奈名子 『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」』(慶應義塾大学出版会、2022年)
大尾侑子  『地下出版のメディア史』(慶應義塾大学出版会、2022年)
関谷直也  『災害情報』(東京大学出版会、2021年)

第9回内川芳美記念メディア学会賞の選考および講評

第8回受賞者(2021年度)

近藤和都  『映画館と観客のメディア論:戦前期日本の「映画を読む/書く」という経験』(青弓社、2020年)

第8回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞の選考および講評

第7回受賞者(2019年度)

該当者なし

第6回受賞者(2017年度)

大澤聡  『批評メディア論:戦前期日本の論壇と文壇』(岩波書店、2015年)
津田正太郎『ナショナリズムとマスメディア:連帯と排除の相克』(勁草書房、2016年)

第5回受賞者(2015年度)

千葉悠志  『現代アラブ・メディア:越境するラジオから衛星テレビへ』(ナカニシヤ出版、2014年)
畑仲哲雄『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』(勁草書房、2014年)

第4回受賞者(2013年度)

林香里   『〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム:ケアの倫理とともに』(岩波書店、2011年)
水野剛也『「敵国語」ジャーナリズム:日米開戦とアメリカの日本語新聞』(春風社、2011年)
山腰修三『コミュニケーションの政治社会学:メディア言説・ヘゲモニー・民主主義』(ミネルヴァ書房、2012年)

第3回受賞者(2011年度)

柳澤伸司『新聞教育の原点』(世界思想社、2009年)
山口いつ子『情報法の構造:情報の自由・規制・保護』(東京大学出版会、2010年)

第2回受賞者(2009年度)

井川充雄 『戦後新興紙とGHQ:新聞用紙をめぐる攻防』(世界思想社、2008年)
藤田結子『文化移民:越境する日本の若者とメディア』(新曜社、2008年)

第1回受賞者(2007年度)

永嶺重敏  『怪盗ジゴマと活動写真の時代』(新潮社、2006年)
福間良明『「反戦」のメディア史:戦後日本における世論と輿論の拮抗』(世界思想社、2006年)
藤田真文『ギフト、再配達:テレビ・テクスト分析入門』(せりか書房、2006年)