第39期研究会「MCDAとは―化粧品CMの分析の実例と発展の可能性」(ジェンダー研究部会)(3/9開催)

■日 時: 2024年 3月 9日(土) 14:00~17:00

■場 所:東京女子大学 25号館 視聴覚室(25202)

■報告者:遠藤明優、高野安未、高橋美伊(東京女子大学)

■討論者:有馬明恵(東京女子大学)

■司 会:竹田恵子(東京外国語大学)

■企画趣旨:

 本研究会は、新しいメディア分析の手法であるMCDA(Multimodal Critical Discourse Analysis)および化粧品のCM分析という実践事例を紹介し、特にジェンダーの視点からのメディア分析に有用であることを示す。また、研究会における議論により、MCDAのより洗練された使用の仕方を模索する。

 メディア研究では主に量的分析を用いる内容分析が重要な客観的かつ実証的手法とされ、1940 年代より発展してきた。そして近年、テキストマイニングをはじめとする、大規模なデータ解析手法が開発され、議論が積み重なっている。 対して質的分析においては、社会問題の社会学を中心とした構築主義的な言説分析、インタビュー調査、会話分析などが挙げられる。美術史や芸術学の分野では、イコノロジー、イコノグラフィといったイメージを分析する手法が発展してきた。しかし、これらの分析手法は文字情報、平面に描かれた油絵などといったひとつの情報形態(モノモーダル)の分析であった。これらに関して、Machinらは、社会記号学を背景として近年のメディア状況の変容に合致した分析手法「MCDA(Multimodal Critical Discourse Analysis)」を提唱している。なぜならば、近年のメディア状況において視聴者が受け取る情報の形態は、文字情報、イメージ、そのデザインなど複数の要素からなるものがほとんどだからである。MCDAは、情報の形態の組み合わせで意味されていること、その背景にある文化や価値観、またメッセージから排除されていることまでも、読み取ることを目指していることが最大の特徴である。したがって、テレビやインターネットの広告、Instagram 等の SNS をはじめとする各種メディアについてもより精緻な分析を行うことを可能にし、今後のメディア 研究において最も重要なツールの 1 つとなるだろう。 

 MCDAは日本では普及途上にあるため、化粧品CMを対象にMCDAの実例を紹介する。そのため本研究会は初学者である学部学生はいうまでもなく、大学院生や研究者、さらには領域を異にする研究者や実務者にとって有意義となると考えられる。

■申し込み方法:

参加を希望される方は下記URLから事前登録をお願いいたします。オンライン参加ご希望の方には、研究会の数日前を目処に、接続情報をお送りいたします。

(オンライン参加ご希望者申込フォーム)

https://forms.gle/B3JzBLQCou6LM2JdA

(対面参加ご希望者申込フォーム)

https://forms.gle/V1WgpETP1BGSydbf7